代理人によって選任された者を復代理人といい、復代理人を選任できる権限を復任権といいます。
任意代理の場合には、代理人は本人の許諾を得たとき、またはやむをえない事由があるときに限って復代理人を選任できるとされています (民法第104条) 。
この場合、代理人はその選任についてだけ本人に対し責任を負うこととなります (民法第105条) 。
遺言執行者は一種の法定代理人であるため、その責任で自由な復任権が認められることになるはずです(民法第106条)。
しかし、法定代理人であるとはいえ、その地位は任意代理人に近いことから、復任権については、任意代理人と同様の扱い(①やむを得ない事由がある場合と、②遺言によって予め許された場合に限られること)となり、復任が認められる①と②に限っては、復任した場合の責任が、第三者の選任・監督についてのみ生ずることになります(民法第1016条2項)。
また、やむをえない事由がなくても、遺言執行者は第三者に任務を代行させることができますが、その場合、第三者の行為に対して、選任・監督に過失がなくても、自分自身で責任を持たなければならなくなります(民法第1016条1項)。
なお、第三者の選任の可否や条件などについては、遺言者の意思に従うことになっていますので、その点について、遺言書に記載すべきかの検討が必要となります。