『一度遺言を残したら、もう修正がきかなくなる。財産が使えなくなる(処分できない)』と、ご心配される方もいらっしゃるかと思います。
この点について遺言は、相手のいない単独行為であって、死後にその効力が発生します(民法第985条『遺言の効力の発生時期』)。
そのため、生きている間に遺言者は、いつでも遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができることとされ、何度でも書き直すことができます(民法第1022条『遺言の撤回』)。
仮に、遺言書を書き直さずとも、遺言の内容と抵触する生前処分の行為は、遺言を撤回したものとみなされます(民法第1023条第2項『遺言の抵触』)。
なお、遺言者が故意に遺言を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなされ、遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも同様とされています(民法第1024条『遺言書又は遺贈の目的物の破棄』)。
遺言は何度でも書き直せますし、撤回することも出来ます。
容易に撤回可能。費用も掛かりません。
保管の申請が撤回されると、遺言書保管官は、遺言者に遺言書を返還するとともに遺言書に係る情報を消去します。
原本が公証役場に保管されているので遺言者本人が遺言を破棄しても撤回になりません。 また公証役場では本人だとしても原本を破棄してもらえないので、撤回する場合は新たに遺言書を作成し撤回するしかありません。
※自筆証書遺言等でも撤回可能ですが、遺言書の有効性が危惧されますので、新たに公正証書遺言を作成されることをお勧めします。
撤回する場合は新たに遺言書を作成します。
新たな遺言書をいずれの形式により作成されるかは、遺言者の方の判断となります。