消滅時効の時効期間が経過した場合であっても、それだけで債権が自動的に消滅する訳ではありません。
そのため、債務者は「時効期間が経過してますので、消滅時効を主張します」と債権者に内容証明で通知することが有用となります。
このことを「時効の援用」といいます。
仮に、消滅時効の時効期間が経過した後にあなたが「支払います。」と言ってしまった場合は、消滅時効の主張はできないこととなっていますので、十分にご注意ください。
また、時効の援用をする場合には、当然ですが確実に消滅時効の時効期間が経過していなければなりません。
例えば、あなたは相手方から身を隠していたため、直接の催告はなかったのですが、相手方か公示送達を行うなどによって、あなたが知らない間に時効が更新されていたとします。
その場合、時効が更新されていますので、たとえ内容証明により消滅時効を主張しても、時効の援用は無効となります。
そのうえ、内容証明を通知したことから、相手方にあなたの所在が分かってしまい、再び強力な催告が始まってしまうかもしれません。
このように時効を援用する場合は、消滅時効期間が本当に経過してるのか確認する等、慎重に対応する必要があります。
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